再びオレゴンへ
2008年にも行ったJazz At New Portへ、再度ご招待頂き、4年ぶりに、オレゴンへ。
毎回海外へ行くたびに飛行機の乗り継ぎがうまくいかないので、今回は1人だし、うろうろしなくていいように、直行便で行こうと、成田〜ポートランドのフライトを選んだのに、なんと、品川駅で、乗り換えて成田空港まで行く予定の、成田エキスプレスが、人身事故で、運休。
復旧の見込みなし、との駅員の説明で、まっさお。つくづくついてないなと思った。
日暮里から京成ライナーに乗り換えてもらうしかないですねと言われ、環状線へ。
幸い、同じく成田行きで、一緒に駅員さんの説明を聞いていた人がいたので、頼み込んで、一緒に連れて行ってもらった。
やさしいカップルの方達がいて、一安心。なんとか無事飛行機に間に合って乗れた。
今回初めて、大阪を出発前に、航空会社のオンラインチェックインをしておいたのが、ラッキーだった。チェックインカウンターの行列に並ばなくても、すぐに空いてるカウンターで、荷物が預けられる。帰りもこれでバッチリ。出発の24時間前に、航空会社から、お知らせがくるので、念のためにやっておいてほんとによかった。
ポートランド空港に出迎えて下さったのは、なんとニューポート市長の奥様、シンディさん。そして、ニューポート市は、緯度が同じとのことで、北海道の紋別市と姉妹都市だそうで、結構行き来があるらしく、紋別市に2年住んでいたという、タッドさん。3人で、緑いっぱいのポートランドからニューポートまでの3時間のドライブ。
私が、朝早い便で到着のため、朝4時起きで迎えに来て下さったそうで、(申し訳ない)朝食がまだだったタッドさんのために、バーガーショップへ立ち寄った。
前回来たときは、ヤクイナベイへ立ち寄り,日本料理を食べに行ったが、今回は時間が早すぎてまだ開いてなく、ホテルへ直行してもらった。
海が見えて来たら、ニューポートへ到着。
今、震災のがれきがどんどん流れるついていると、先日も新聞に載っていたが、私が見た範囲ではなかった。
ホテルは、2階立てで、横にながーい。海に沿ってどこまでものびている。このジャズフェスのために、周辺の4つのホテルが、ミュージシャンに部屋を提供してくれているそうだ。
今回滞在したのは、HALLMARK INN(ホールマークイン)。
隣は、前回滞在したSHILO INN。てっきり発音は、シロインと思ったら、つうじない。シャロインというらしい。
部屋に入ったら、SHILO INNより、新しくて、広く、少し高いのだろうなあと思った。
小さなキッチンのようで、水道が、洗面所とは別についていて、電子レンジがあったので、大変便利。
私の部屋より下に、もっと海岸に近い所にも部屋があるらしく、車や人が降りて行く。
ジェフから、自分は今サクメントで、乗り継ぎ待ちだけど、無事着いているかとメールがきて、ほとんど、48時間起きたままなので、翌日の本番に備えて、寝ておこうと思うが、全然眠れない。
いつも時差ぼけには悩まされるが、今回はほんとにひどかった。一日目は4時間だけ眠れたが、2日めは1時間半しか寝られず、3日に限界だったのか、やっと7時間まとまって眠れた。
シンディさんも、いつでも観光に連れて行ってあげるし、ホームパーティをしたいので、都合がよかったらメール頂戴ね、とやさしく申し出て下さったが、全くそんな余裕がなく、とりあえず、寝よう寝ようともがいた4日間だった。
翌日の昼、サウンドチェックのため、歩いて会場へ。
前方右のピラミッドのような建物が会場となる、ニューポート・パフォーミング・オブ・アーツセンター。
このジャズパーティは毎年行われていて,今回は9回め、会場には、歴代ここで演奏したミュージシャン達の写真が飾られていて、私の、前回演奏した時のものもあった。
サウンドチェック終了後、ジェフが、近所のレストランヘ、グラハムと私を食事に連れて行ってくれた。おまえはこれだろうと、とジェフのおすすめが、てりやきとライスボールのセット。ちょっと味付けが甘すぎた。
また、会場の、ステージ横の楽屋では、キッチンがあり、ボランティアの方々が、交代で、朝、昼、夜と、おいしい料理を作って下さっているので、食べ物には全然不自由しない。
食べたいものを、ラップにつつんで、ホテルへ持ち帰って、夜食に。
途中スーパーに立ち寄ってもらい、ジュースも滞在分そろえて。
夕方、再び会場に行くと、出演者がいろいろ集まっていて、大写真会。
まずは、クレイトンブラザーズのドラマー、オベッド・カリベラ。彼とは、4年前に、ここで、ヒューストンパーソンと一緒に演奏した。
トロンボーンのWycliffe Gordon。このかた、あちこちのジャズフェスに出ている超売れっ子。でもまだお若いはずなのに、会うたびにどんどん大きくなっていかれて、演奏前も、誰もいないところで、横になっていたので、お体だいじょうぶかな、と心配してしまう。
わざとおどけて、警察で犯罪者の写真を撮る時のまねをしているのは、ベーシストの、Dave Wakelingさん。この方もポートランドの方で、クラカマス短大の教授でもある。
大変背の高い、Dave Capteinさん。この方もベーシスト。エレベもウッドもどちらも演奏されるそう。
ジョン・クレイトンさん。ベーシストでありながら、クレイトン・ハミルトン・ジャズオーケストラのアレンジ&指揮も担当、数多くの中高生やアマチュアのビッグバンドがこのクレイトンさんのアレンジをお手本に、練習している。
身長差がありすぎるので、ジョンさんが、Atsuko-、その椅子へ乗れと(笑)
ジョンの弟のアルトサックス奏者、ジェフ・クレイトンさんも一緒に。
日本へきたら、スモウレスラーになれるのに、と、ついお腹を5回くらいたたいてしまう(笑)
今回ここへ招待されたのも、すべてこの方のおかげ、ドラマーのジェフ・ハミルトンさん。ジェフも今回身体がひとまわり大きくなっている。
ブルーのチェックのシャツのドラマーは、Gary Hobbsさん。ワシントン州バンクーバーからのご参加。この方も前回も会った。カナダのバンクーバーと名前が同じで、よく間違えられるそうだが、アメリカのバンクーバーで、コロンビア川をはさんで、オレゴン州のポートランドのとなりらしい。オレゴン大学の教授も務められている。
去年グラミーにノミネートされたジョンの息子のピアニスト、ジェラルド・クレイトンと、ギターのグラハム。以前ジェラルドが渡辺貞夫さんと共演されていたので、その話をすると、最近は、またオファーがあったんだけど、ちょうどジェラルドが忙しい時で、できなくて、最近渡辺さんは、リチャード・モナとかと演奏していると思うよ、と言っていた。
ピアノのビル・メイズさん。あちこちのジャズフェスでよく会うが、ここのジャズパーティにははじめてのご出演とのこと。なんとも引き出しの多い、熟練された演奏を聞かせて頂いた!昔、ジェフの結婚式でToo Close For Comfort を弾かれたというから、ジェフとは大変長いおつきあいの、ピアニスト。今まで影響を受けたピアニストの代表作を1曲ずつ演奏しているソロピアノのDVDをゲットして、帰ってからずっと愛聴させていただいている。
そして、もうひとりのピアニスト、トニー・パシーニさん。地元ポートランド在住とのこと。この方のことは、ジェフから、モンティ・アレキサンダーのことが大変好きなピアニストなんだと聞かされていたが、ほんとによく研究されていた。なにより、お顔がなつかしい感じがすると思ったら、お母様は日本人とのこと。日本語はしゃべれるの?と聞いたら、少し、とのお返事。ほんとにそれだけだった(笑)トニーから、彼のリーダー作のライブ録音のCDを頂いた。こちらもipodに入れて愛聴盤に!
演奏一日目は、グラハムとジェフとのトリオで。こちらはCDを出しているメンバーなので、比較的気楽にできたが、二日目は、どの楽器もソロで演奏しないといけないSOLOSという企画。ここのジャズパーティは、いつもこれがある。他のミュージシャンと曲がだぶってはいけないと思い、始まる前に、聞きにまわる。ほとんどの人は決まっていたが、クレイトンさん親子だけは、息子さんのジェラルドも、決めてない、わからない、というし、お父さんのジョンさんも、さあ、わからない、と言うので、息子さんもそう言うのよ、というとハハハハと笑っていた。
演奏を聞いていて、皆さんさすがに、それぞれの楽器のエキスパートなんだなとつくづく感心した。
今回一人旅だし、会場の撮影の取締もきびしく、人が演奏しているところもうつせなかったし、自分が演奏している写真も一枚もない。
これまでの写真だけだと、ただ単に皆に会いに行って、写真をとってもらっただけのよう。
会場で、許可を得て、写真を撮っていたかたに、送ってくださいねと頼んできたのだが、未だ、音沙汰がない。。
と思っていたら、Audiophile Auditionという、音楽誌にレビューが載ってますよというお知らせが届いた。時差ぼけで眠れないままに迎えた2日めの写真で、顔が大変荒れているけど。。(見苦しくてすみません。。)なんとか演奏している写真があった。
Special Feature
Oregon Coast Jazz Party, October 5-7, 2012
Published on October 24, 2012
The ninth annual Oregon Jazz Party took place last weekend in Newport. It has had a name change this year from its former Jazz at Newport name. The three-day festival, which takes place about this time each October, features musicians from all over the U.S., performing in a sort of “jazz party” setup. In other words, the players all appear in different combinations at different times over the course of the schedule. Most of the sessions take place on the stage of the Newport Performing Arts Center, but some late-night events happen at one of the “jazz hotels” in Newport: the Shilo Inn Suites—not far from the Arts Center. Local restaurants also offered live jazz before, between and after the Jazz Party.
The organizational sponsor of the event is the Oregon Coast Council for the Arts, with the participation of local businesses and over 60 volunteers. Flutist Holly Hofman is the music director of the Jazz Party, and she put together one of the best assemblies of jazz greats yet this time. On the Thursday before the event, young jazz guitarist Graham Dechter gave a Guitar Jazz Clinic. On Friday, Jeff Clayton, of the Clayton Brothers Band, gave an Alto Sax Clinic. Friday night at 7:00 was the real opening night, which got underway with Japanese B-3 ace Atsuko Hashimoto and her trio, which consisted of Graham Dechter on guitar and Jeff Hamilton on drums. She coaxed some very unique and unusual percussive sounds out of her well-traveled Hammond B-3, and one of her big hits was her own lovely arrangement of Lehar’s “Yours Is My Heart Alone.”
The 8:00 hour brought a fine quintet let by multi-reed man Ken Peplowski (also in charge of the annual September jazz event in Eugene, OR), with the amazing Wycliffe Gordon on trombones, Bill Mays at the piano, with Dave Captein on doublebass and Chuck Redd on drums. Wycliffe has been described as a “one-man band.” He has an extremely aggressive approach to trombone playing. Breaking down to a trio setup, three of the performers turned in a lyrical version of Johnny Mandel’s “Emily.” 9:00 brought the Clayton Bros. Band, which bassist and leader John Clayton described as consisting of either actual relatives or jazz artists they had adopted. In addition to John it included brother Jeff on alto sax, and 28-year-old son Gerald on piano. The adopted included Terell Stafford on trumpet, Obed Calvaire on drums, and later Wycliffe Gordon on trombone. Trumpet and sax made a strong front line, the John’s son was a top-flight pianist in all the sessions he played on. One of their finest moments was a touching duo performance of Billie Holiday’s “Don’t Explain”—just bowed bass and piano. Holly Hofman joined in on flute, and John Clayton presented an award to her, as well as a portrait of her painted by Jeff’s daughter. Jeff had a pixish, Fats Waller/Groucho-sort of humor about him. The evening ended with “Nightcap at the Shilo,” with a hot quintet featuring diminutive vocalist Kenny
Washington and his amazing Yma Sumac-style vocal range.
At the early hour (for jazz people) of 9:30 AM Saturday, Ken Peplowski did a clarinet and sax clinic at the Performing Arts Center studio theater. An hour later, “The History of Jazz Piano” was onstage, with Bill Mays playing 15 piano solos by his various mentors, each one described in front by jazz expert Doug Ramsey. This duo had been done before in Japan and the idea was imported here, and done in English. The versatile Mays ended his 15 solos with a fantastic rendition of James P. Johnson’s “Carolina Shout.” Each hour starting at noon Saturday featured, as part of a Jazz Sampler, first Solos, then Duos, and finally Trios and Quartets. Many of the musicians participated in these sessions, with Tony Pacini on piano, Tom Wakeling on doublebass, and Gary Hobbs on drums not before mentioned. I really enjoyed the duo of Peplowski and Mays. A Cole Porterclassic was first on the program, with Peplowski on clarinet, and later they did a Percy Faith number, “Come September,” on sax and piano, as well as an original composition by Mays featuring Ken on clarinet. The second duo of John Clayton and his son Gerald on bass and piano included one of the most moving lyrical versions I’ve ever heard of my favorite jazz number, John Lewis’ “Django,” originally popularized by the Modern Jazz Quartet. Another performer not mentioned before joined in for the Trio and Quartet sessions: vocalist Denise Donatelli.
Saturday evening began with the Clayton Bros. Band of trombonist Wycliffe Gordon,, trumpeter Terell Stafford, John Clayton on bass and Gerald Clayton on piano, only with Jeff Hamilton on drums instead of the band’s usual drummer. Wycliffe sometimes played with a plunger, and the band got the audience to participate on “It Don’t Mean a Thing…” At 8:00 Denise Donatelli returned, but this time sharing the stage with fellow vocalist Kenny Washington—who appears and sounds something like a shrunken Jon Hendricks. Bill Mays was the pianist during this set. 9:00 brought a quartet led by striking young guitarist Graham Dechter. They did a down-home blues, “Grease for Graham,” written for the guitarist, and ended with a wonderfully evocative version of Basie’s “Lil’ Darling.” There was another Nightcap at the Shilo session later, with a front line of Chuck Redd—this time on vibes, and Ken Peoplowski on reeds.
Sunday morning was an interactive Jazz Panel with John Clayton, Jeff Hamilton, Ken Peplowski and Kenny Washington. Holly Hofmann hosted and asked some of the questions audiences had asked before. No music, just verbal, fun exchanges. One of the facts that came out of the discussion of the challenges of being a jazz artist was that jazz only represented 1% of music sales nationally.
The Wrap Session of four parts started at 11:30 to give everyone the opportunity to set out for home by mid-afternoon. It first had pianist Bill Mays with his trio in “Mays at the Movies.” Among the film themes was one Bill had written and another for the movie Fargo, in which he had played on the film track. He also did a theme in ¾ time he was asked to create for a film in the style of Miles Davis’ “All Blues,” because the studio didn’t want to pay the huge fees in order to use that theme on the soundtrack. Next Atsuko Hashimoto returned with her B-3 for a swinging hour with Ken Peplowski on tenor sax and Jeff Hamilton’s drums. They really tore into Horace Silver’s “Opus de Funk,” and closed out with a shining “Shiny Stockings.” The Clayton Bros. Quintet with Wycliffe Gordon came on about 1:30, with plenty of high-energy blowing from the front line of Gordon, Stafford and Jeff Clayton. After that a grand finale titled “The Closing Tune” involved all the artists who had participated in the Oregon Jazz Party. The tune was “Perdido” and some of the performers cut up good, such as all the drummers fighting to alternate a few bars at the drum set. At one point three of the pianists were all attacking the keyboard at the same time. I should mention that Ken Peplowski’s dry humor was a perfect addition to the relaxed and convivial mood of the whole Jazz Party.
For details on next year’s Jazz Party, visit www.oregoncoastjazzparty.org
—John Henry
—All Photography by Nancy Jane Reid, Newport
最終日は、クラリネット&テナーサックスの名手、ケン・ペペロウスキーさんとジェフとのトリオ演奏。これが大変盛り上がって楽しく、レコーディングしようという話に!
アメリカのレコード会社から、ケンが、レコーディングしたいと言っていたよ、という連絡がきて、気がついたが、ケンさんは、同じレコード会社だった。
ジェフは、会うと、毎回、次の演奏機会の話を用意してくれている。今回も会ってすぐに、次は、来年の2月9日から、16日までの1週間、ロスのNewport Beach Jazz Partyと、どこそこと、と話がでたので、驚いた。2月に演奏があることは良くあるが、今回は、10月に来たばかりだから、まさか、4ケ月後の、2月はないだろうと勝手に思い込み、NYから来日する田井中さんと、その時期、仕事を組んでしまっていた。
2/17の昼間に、京都のルクラブジャズで、田井中さんに、公開クリニックをしてもらうのと、19日には、同ルクラブジャズにて、オルガントリオライブをする予定になっていた。
結局、ジェフの都合で、2月の話は、なくなったので、予定通り田井中さんとお仕事ができることになった。
ケン・ペペロウスキーさんは、来年の11月にコンコードジャズフェスティバルで、ニューヨークからビッグバンドで、日本に来られることが決まっているそうなので、日程を調べて、会いに行きますね!といって、別れた。
帰りの空港へは、ミュージックディレクターのホリーさんの運転で、ジョン・クレイトンさんの弟の、ジェフ・クレイトンさんと3人で、ポートランド空港まで、2時間半のドライブ。ジェフ・クレイトンさんに、時差ぼけの話をすると、僕はどこの国へいっても1日で慣れると言っていた。うらやましい。。
短い旅だったので、向こうに着いた時は時差ぼけで泣かされたが、帰ってきてからは、すぐに元に戻って、長く向こうにいた時より、身体は楽な感じがした。
本当にあっというまのオレゴン小旅行だった。